ストリングトリック初心者の鬼門であり、トラピーズに匹敵する重要な横系の基本でもあります。ストリングを操作してヨーヨーをコントロールするスキルを身につけられるトリックなので、ストリングトリック以外でも共通して役立つ場面が多いトリックであり、ヨーヨーの上達において避けては通れないでしょう。
ブレイクアウェイから両方の人差し指にストリングをかけ、最後にもう一度利き手でない方の人差し指にストリングをかけてトラピーズをすれば完成です。
この時は一番奥のストリング、つまり利き手の人差し指の下から伸びているストリングだけにマウントしなければいけません。それ以外のストリングにマウントしたり、複数のストリングに乗ると失敗です。そうした別の乗り方を利用するトリックもありますが、ここでは奥の1本だけにマウントするのが正解となります。
ほどき方は自由です。引き戻しなら直接跳ね上げても構いませんし、利き手のストリングをすべて外してから回してヨーヨーを外していっても良いでしょう。
ただし、利き手のストリングを外すだけのタイミングで、ヨーヨーを誤って落下させてしまうと、トリック検定では失敗とみなされることが多いです。外すときは丁寧に。
成功基準
- マウントするまでヨーヨーを止めない
- 一番奥の1本だけにマウントする(トラピーズ状になっていること)
トリックを習得できたかどうかを判断する目安です。トリックリストや競技会によっては、成功条件が異なる場合がありますので、検定を受ける際などはルールを事前に必ず確認しましょう。
前提トリック
最速で習得するには
解説動画を参考に、ストリングを指のどこにかけるかをよく見て練習しましょう。順番でいくと、以下の通りになります。
- ブレイクアウェイ
- 人差し指の一番奥
- 人差し指の第一関節
- 人差し指の第一関節でトラピーズ
以上の順番でストリングを指にかけていけば、最後のマウントがやりやすいはず。
ストリングが極端に長かったり、短かったりしても難しいです。最後のトラピーズの前にいったん動きを止め、自分が一番やりやすい両手の間隔をつかみましょう。
通常のトラピーズと同様に、マウントするときはギリギリまで人差し指の近くで行うのも重要なポイントです。指に当たって弾かれるのを恐れて乗らないより、最初のうちは指に弾かれるくらい人差し指のそばに寄せられる方が良いでしょう。
派生
トラピーズに負けず劣らずの横系トリックの基本であるため、応用も多岐に渡ります。ここでは一部を紹介します。
- もう一重増やし、三重で行うとトリプル・オア・ナッシング
- 以降、一重ずつ増えるごとに下記の通り変化
- 四重=クアドロプル [Quadruple]
- 五重=クインタプル [Quintuple]
- 六重=セクスタプル [Sextuple]
- 七重=セプタプル [Septuple]
- 八重=オクタプル [Octuple]
- 九重=ノナプル [Nonuple]
- 十重=ディカプル [Decuple]
- 十一重以降‥イレブンフォールド [Elevenfold]、トゥエルブフォールド [Twelvefold]と続く
- 以降、一重ずつ増えるごとに下記の通り変化
- 意図的に真ん中のストリングにマウントするミドル・オア・ナッシング
- 途中まで回転して利き手の人差し指で下からマウントする1.5マウント
- 最初に親指にストリングをかけるクラッシュ・オア・ナッシング
- 最後に小指でマウントするピンキー・オア・ナッシング
- 利き手側は手首にかけて行うリスト・マウント
- ピンホイールを挟むソニック・ホールとブラック・ホール
豆知識
ダブル・オア・ナッシング [Double or Nothing] というのは、日本語で『一か八か』という意味です。
そのため略称として『DoN』が採用されることがあります。ダブル・オア・ナッシングって絶妙に略しにくいんですよね。
そして『一か八か』という慣用句なのですが、一度は「どっちが得でどっちが損なんだ…?」と考えたことはないでしょうか。実はこれ日本語学者の方々の間でも意見は分かれているようで、よく説に挙げられるのが以下の2つです。
- もともとは『一か罰か(他の目が出るか)』であったものが変化した
- もともとは『丁か半か』であったが、丁と半それぞれの上部、一と八だけを抜き出した読みが普及した
気になった方は、以下参考リンクをご覧ください。
「一か八か」って言うけど、「二か九か」じゃダメ? - QuizKnock 「一か八か」の一と八はどちらがよい結果なのか - Fragments