おそらくウォーク・ザ・ドッグやブランコと並んで世界一有名なトリックのひとつではないでしょうか。ヨーヨーをぐるーっと回してキャッチ。とてもシンプルかつ、基本トリックの中でもっとも見栄えするトリックです。
名前が長いので『アラウンド』と省略されることが多いですね。
ヨーヨーで円や弧(アーチ)を描くルーピングトリックの始まりであり、おそらくツーハンド(両手)での練習で最初の方にやることになるトリックでもあります。
前提トリック
成功基準
- 1周以上回してキャッチ
トリックを習得できたかどうかを判断する目安です。トリックリストや競技会によっては、成功条件が異なる場合がありますので、検定を受ける際などはルールを事前に必ず確認しましょう。
途中で返ってきてしまうときは
ストリングが途中でたるむとヨーヨーが返ってきてしまいます。
まず前提として、ストリングを短めにします。おヘソの位置か、それより1~2cm短いくらいがベストです。短すぎてもやりにくいですが、長すぎるよりはやりやすいはず。
というのも、長すぎると地面や天井にヨーヨーをぶつけてしまいそうになるので、それを避けようとしたときに余計なタイミングで手を動かしてしまうんですね。短くすれば思い切って遠心力をかけられるので、ヨーヨーが回る勢いでストリングを引っ張り続けられます。
また、ヨーヨーをできる限り目で追い続けるのもポイント。回っている最中、ヨーヨーがどの場所にあるかは、不慣れなうちはわかりにくいもの。そうなると体が硬直してしまい、遠心力が衰えてヨーヨーが返ってきてしまいます。
どうしても死角に入る瞬間はあるものの、それでも少し大げさにヨーヨーの位置を目で見て、慣れてきたら見る時間を減らしましょう。一点だけを見続けるのではなく、ヨーヨーの周辺もふわっとまとめて見るのがコツです。
途中でスリープが止まってしまうときは
最後までスリープを保たせるコツは、ヨーヨーをまっすぐ投げることです。
スリーパーでもそうでしたが、ヨーヨーは強く投げることよりも、まっすぐ投げることの方が重要です。まっすぐ投げて、まっすぐ回す。至極シンプルだからこそ、これが難しいんですよね。
まずは弱めでもいいのでまっすぐ投げること。遠心力は弱く投げたあとでもかけられるので、とにかくていねいに投げること。右・左のどちらにヨーヨーが傾いてしまっているかを毎回確認し、次に投げるときはその逆に傾けるように投げて、少しずつ調整していきましょう。
このアラウンドというトリック自体、スリープ時間は3秒もあれば十分なので、スリーパーよりも力がいらないくらいです。やみくもに強く投げてスリープを保たせようとするとコントロールしにくいですし、キャッチもしにくくなります。ダイナミックなトリックですが、パワーではなくコントロールが試されるトリックだと覚えておいてください。
キャッチができないときは
無理にスリープを強くしたり、逆にスリープが保たなくて弱々しく返ってきてもキャッチしにくくなってしまいます。投げたときのスリープの勢いがほぼそのままで1周して返ってくるのが目安です。
それでもキャッチできないときは、フォワード・パスと同じく、返ってきてからキャッチする準備をするのではなく、投げ終わった瞬間からキャッチをする意識を持ちましょう。
ヨーヨーが正面に現れてから手を引いて(ストリングをたるませて)キャッチしようとすると、大抵の場合は間に合いません。正面に来てから遠心力を落としても、ヨーヨーが真上に行ってしまって、かなりキャッチしにくいです。
※これが意図的にできる人は上級者です。
理想的なのは、ヨーヨーが完全に後ろにいるうちから手のひらを上に向けておき、最初に手を離した位置で待機しておきます。あとはヨーヨーが足元を通過するあたりから減速すれば、ちょうどいいタイミングでキャッチできるはず。
目安は投げるときもキャッチするときもフォワード・パスの高さです。
代表的な派生
遠心力のみでスリープしているヨーヨーを回すトリックは、アラウンドの派生であるといえます。
- スリーパーの向きから行うリバース・アラウンド
- 体の両横を通すツイスティング・アラウンド・ザ・ワールド
- 両手で行うダブル・アラウンド・ザ・ワールド
- 途中のストリングをつまんで回すピン・ホイール
実は勢いでできる?
ここまでいろいろなコツをご紹介しましたが、割と見たままマネして勢いでやったらできたというパターンも多いトリックです。
人によってはスリーパーよりもカンタンに感じる、という例もちょいちょい見てきました。確かに、最後までしっかり回っているかをじっと待って確認するスリーパーより、ぱっと回してハイ終わり!というアラウンドの方が手軽でカンタンに思えるのかもしれません。
トリックの難度をどう感じるかは人それぞれですので、トリックリストはあくまで目安として、まずはやりたいと思ったトリックを優先して遊んでみてください。
「1周のみ」回数をコントロールする技術
トリックの成功基準で、何回か同じことを繰り返したり、往復したりするトリックは、規定回数以上が基準となることが多いです。アラウンドも例に漏れず、ほとんどのトリックリストでは1周以上が成功の条件になっています。
では「1周のみでキャッチ」など、回数を固定すると…実はちょっと難しくなります。
1周より多く回していいという条件下では、何回か回したあと遠心力が衰えてきたあたりで戻す、というテクニックが使えます。しかし必ず「1周で」「3周で」とぴったりの数字を要求されたとき、突如まったくアラウンドができなくなってしまう方がちらほらいらっしゃいます。
このぴったりの回数で止める技術というのは、ヨーヨーをコントロールする技術の基礎として大変重要です。アラウンドが余裕になってきた!という方は、10周くらいまでを目安に、ランダムで周回数を決めてトライしてみてください。