オフストリングにおける最初のマウントの種類のひとつで、ブレイクアウェイからマウントします。投げ方がクセモノで、フォワード・パス・マウントより難しめです。
OSブレインツイスター・マウントと同じく、できるだけ早めに反対の手でストリングをつかみ、ストリングが半分くらい伸びたあたりで引き上げて、ヨーヨーを浮かせるようにしましょう。顔の高さくらいまで浮かせると、ストリングの位置を整える時間の余裕ができます。
実践するかはあくまでおまかせですが、マウント後、もう一度跳ね上げると本来の『オリバーズ・ロケット』になります。詳しくは最下部の豆知識にて。
成功基準
- 確実にマウントする
トリックを習得できたかどうかを判断する目安です。トリックリストや競技会によっては、成功条件が異なる場合がありますので、検定を受ける際などはルールを事前に必ず確認しましょう。
前提トリック
豆知識
全米ヨーヨーグランドマスターの一人であるデール・オリバー氏が、世界大会の余興で披露したのがこのオリバーズ・ロケットでした。
時は1990年代中期、近代ヨーヨー世界大会が始まって間もない頃。当時は規定トリック競技やフリースタイルのみならず、サイドイベントとして『ヨーヨーをしながらの100メートル走』など、風変わりな競技(?)も開催されていました。
その中で『ロケットでのヨーヨーの高さ』部門もありました。出場者が普通のロケットで挑む中、オリバー氏は「もっと高く飛ばせる方法がある」と言い出し、なんとその場でヨーヨーからストリングを外して、このオリバーズ・ロケットから高々とヨーヨーを打ち上げてみせました。フォワード・パス・マウントからではなくスリーパーの投げ方に近いスローから始めているのと、このトリックの名前に『ロケット』とついているのは、これが理由です。
このようにオリバーズ・ロケットは、ひたすらヨーヨーを高く飛ばすことだけに焦点を当てたトリックであり、マウントしてから高くトスするところまでを含め、再度マウントやキャッチはしなくても良いトリックとなっています。
ストリングの張力と自身の跳躍を合わせられるこの方法は、当然ぶっちぎりの1位の高さだったとのことですが、周りからの大ブーイングにより取り消しに。しかし優勝でこそなくなったものの、それよりも大きな功績(?)として現代まで語り継がれています。
その後、1997年当時に出版されたハイパーヨーヨートリックスという本にも収録され、日本においてもオフストリングというスタイルの認知度を大きく高めるきっかけとなりました。