多くのストリングトリック初心者が、最初にぶつかることになるであろう複雑かつ長いコンボトリックです。最初のアトム・マウントから先は比較的難しくないので、連続で成功させなければいけないというプレッシャーを負いすぎないことが大切。
まずアトム・マウントをした後、ヨーヨーを前方のストリングに乗せ替えます。
次に、利き手でない方の人差し指だけを動かし、前方のストリングに当てます。
すると、利き手の人差し指に2本のストリングが出現するはずです。その利き手から遠い方のストリング(右利きなら左側のストリング)に、ヨーヨーを再び乗せ替えます。
利き手の人差し指を、手前のたくさん集まっているストリングすべてに、そっと当てます。この時、どの指からもストリングが外れないよう注意しましょう。
ここまで来ればあと一息。ブレインツイスターの要領で、3周以上前に回転します。
最後に、利き手の人差し指からストリングをすべて外して、ブレインツイスターの最後の部分と同じ要領で、ヨーヨーを遠心力を利かせつつ手前に回してキャッチすれば成功です。
成功基準
- ヨーヨーを前方に3周以上回す
トリックを習得できたかどうかを判断する目安です。トリックリストや競技会によっては、成功条件が異なる場合がありますので、検定を受ける際などはルールを事前に必ず確認しましょう。
前提トリック
派生
バレル・ロール(アトミック・ファイヤー)は、工程に類似する要素があり、スプリット・ジ・アトムと並べられることが多いトリックです。この両方ができるだけで、双方をつないで長いコンボトリックにすることも可能になります。
豆知識
日本では、ハイパーヨーヨーにおける認定トリックのひとつとしても収録されており、特に97年初代ハイパーヨーヨー世代のコアなヨーヨーファンの間で非常に有名だったトリックです。
理由は2つあり、1つは「これができれば上級者」という目安にふさわしい複雑さと当時の難度であったこと。もう1つは「イラストや写真などの静止画を参考に練習をする時代に、このトリックは複雑過ぎた」ということ。
当時、まだトリックの解説はホビー雑誌や公式の小冊子などの紙面がメインであったため、イラストや説明の完成度は高かったものの、やはり動きを連想するのは難しく、ハイパーヨーヨーのメインターゲットであった小学生の子どもたちは、解読できずじまいで終わってしまうことが多くありました。
あの時挫折してしまった世代の方々には、バインドヨーヨーを手にとった暁に、まずバレル・ロール(アトミック・ファイヤー)と一緒に挑戦してほしいものです。現代のヨーヨーの性能の高さを体感できるだけでなく「あの時悩んだトリックはこんなやり方だったのか」と、スッキリできるかと思います。
また、バインドヨーヨーでやり方を覚えたあと、もし当時使っていたハイパーヨーヨーに再び触れることがあれば、そちらでも再挑戦してみてください。当時苦戦していたとしても、環境を整えた上で習得したあとは、当時の性能のヨーヨーでも驚くほどカンタンにできることが少なくありません。