1997年ハイパーヨーヨー展開時以前のヨーヨー経験者からすると、おそらく前代未聞。引っぱっても戻ってこないヨーヨーを戻すためのトリックです。
原理は言葉で説明すると難しいのですが、ヨーヨーの空転方向に対し逆方向からストリングを巻きつけていくことで、ヨーヨーの中心にあるストリングを摩擦する部分(レスポンス)が引っかかって、ヨーヨーが戻ってきています。
「なぜそんなに回りくどいことを…?」と思った方は、下の豆知識か、リワインドインフォベース(当店ヨーヨー情報サイト)をご覧ください。カンタンにいいますと、バインドは従来のヨーヨーより何倍も長く回るヨーヨーを実用可能にした、昨今のヨーヨーの進化を象徴するトリックであり、ストリングトリックというスタイルを飛躍させた立役者なのです。
基本トリックを進めている方は、このバインドと出会ったことを機に、ぜひバインドヨーヨーにトライしてください。
成功基準
- 戻したあと、絡まっていないこと(1回投げたらすぐスリーパーできること)
- 検定会では、多くの場合は戻せるだけで成功
トリックを習得できたかどうかを判断する目安です。トリックリストや競技会によっては、成功条件が異なる場合がありますので、検定を受ける際などはルールを事前に必ず確認しましょう。
前提トリック
最速で習得するには
なかなかできない場合、ひとつも手順を飛ばさないことを改めて意識してみてください。
特に最後のつまむ、転がす部分をおざなりにしてしまうと、全然戻ってきません。戻ってきたとしても、意図しないタイミングであったり、中でストリングが絡むリスクが上がってしまったりして、なかなか安定してくれません。
重要な部分をさらに噛み砕いて解説した真・バインド講座もありますので、チェックしてみてください。
解説動画は大量
他の基本トリックと比べて成功基準が変わっていたり、使うヨーヨーも昔のものとは違うことが多かったりするため、ヨーヨー教室や練習会で質問をされることが多いトリックでもあります。
YouTubeなど動画サイトでも、バインドの解説がたくさんリリースされており、どうしてもわからない場合はいろんな動画を見てみるのも有効かと思います。
動画ごとにアドバイスの内容が違うこともありますが、個人個人に合ったアドバイスというのは必ずしも同じではないため、自分がやりやすいと思ったコツにならうようにしましょう。
SHU TAKADA Channel(YouTube) ほかYouTubeでバインドで検索
代表的な派生
最初はヨーヨーを戻すためのいち手段から、他のトリックの習得と比例して、いろんな動きからバインドに移ることができるようになります。競技会ではトリックを終えるごとに毎回異なるバインドをする選手もいるくらい派生が豊富です。
- サイド・スローから戻すサイド・バインド
- 片手で戻すワンハンド・バインド
- ストリングの上でヨーヨーを回して勢いをつけてから戻すサマーソルト・バインド
- ピンと張ったストリングにヨーヨーを直接当てて戻すダイレクト・バインド
- 多重に指に巻きついたストリングをほどきながら戻すデタッチ・バインド
- ほかバインドの派生はトリック検索にて
豆知識
バインド黎明期は引っかけ戻しとも呼ばれていました。今でもこちらの方が意味は通じやすそうですね。
当時は今とは逆方向にストリングを巻き込む形になっていて、これは当時のストリングトリックヨーヨーのレスポンスやギャップが今とは異なるのが要因です。
端的にいえば、当時はもっと戻りが強かったため、今の戻し方はスリープが弱くても確実に戻せるやり方なのに対し、昔のやり方はほんの少しストリングを巻き込んで戻りを補助してあげるような感覚であったためです(と個人的に解釈しています)。
さて、そんなバインドですが、なぜここまで一般的になったかというと、できるかぎり引っ張っても戻ってこない仕様の方がスリープが長く続き、ストリングトリックにおいて断然有利だという考えに基づきます。
ヨーヨーは引っ張る(ヨーヨーをジャンプさせる)ことでストリングがたわんだり軸に巻き付いたりして、レスポンスにふれ、摩擦して戻ってきます。レスポンスは今でこそパッドという平たいシリコンシートが主流ですが、もともとは『スターバースト』というギザギザが出っ張ったものが主流でした。
確実に戻すためには、ストリングが常にそのギザギザに触れていることが理想なのですが、同時にスリープ中はストリングがずっとヨーヨーに擦れている状態になり、例えるならばブレーキをかけ続けながらトリックを行っている状態になります。
その後トリックが高度化するにつれ、長くスリープをする方法が模索される中、レスポンスが当たりにくい構造のもの(パッド)と、強制的にレスポンスにストリングを当てる技が考案(バインド)され、今日の形になっています。
しばらくはバインドそのものがそれなりに難しいトリックとして認識されてきましたが、現在はバインド自体を確実にしやすくする方法、ストリングなどパーツ類、ヨーヨーが当たり前になり、初心者からでも高度なストリングトリックを体験・習得できる革命的なシステムとして、現在のストリングトリックシェア拡大の大黒柱になっています。
ちなみに、スターバーストは現在でもルーピングトリックスタイル(2A)で健在。クイックで確実な戻りにおいては現時点で右に出るレスポンスはなく、それぞれの立ち位置を確立しています。