ストリングトリックの始まりのトリックです。
手にストリングをかけて三角形を作り、その間でヨーヨーをゆらします。三角形の作り方は自由であることが多いのですが、動画通りに行うと、ブランコを発展させたトリックにつなげやすいので、まずは動画通りで覚えてみてください。
有名かつ見た目にもわかりやすくて親しみやすいトリックなので、パッとヨーヨーを披露するシーンでも重宝します。
競技会基準では、多くの場合ストリングをヨーヨーにかけたり、ヨーヨーを乗せる(マウント)動作があるトリックをストリングトリックといいますが、ブランコは、その手前の段階にあたるスリープ中にストリングを操るトリックであり、これがどれだけスムーズにできるかによって、このあとのストリングトリックにおける習得スピードが変わってきます。
成功基準
- 三角形の中で3往復以上ゆらす
- 三角形の作り方は自由
- ゆらしている間、三角形のストリングにふれないこと
- 三角形をほどいたあと、ストリングが絡んだり結ばったりしていないこと
トリックを習得できたかどうかを判断する目安です。トリックリストや競技会によっては、成功条件が異なる場合がありますので、検定を受ける際などはルールを事前に必ず確認しましょう。
前提トリック
- スリーパー(10秒以上)
どうしても体格差(年齢差)があります
ヨーヨーは基本的に誰でも楽しめるもので、体格や年齢によるやりやすさの差が生まれにくいものですが、ブランコの場合はどうしても手が小さい方の方が不利です。
三角形を作るのがスムーズになっても、肝心のゆらすスペースが小さくなってしまうと、ストリングに当たってスリープが止まってしまいやすく、難しくなってしまいます。トリック検定の場合、ゆらしている間に一瞬でもヨーヨーがストリングに当たると、失敗と判定されてしまうことも。
小学校高学年以上であればほとんど問題はなくなってきますが、低学年くらいのお子さまですと、この三角形が小さくなってしまう問題にぶつかりがちです。
手っ取り早い対策としては、動画のように三角形を顔の前に持ってきて、ヨーヨーとストリングをよく見ること。そして、三角形の下のあたり(広いところ)でゆらすようにしましょう。ちゃんと意識すれば、かなりぶつかりにくくなりはずです。
「ここをつかめばブランコになる」魔法のストリング
体格差があってもブランコができる限りやりやすくなるよう、目印をつけて魔法のストリングにする方法をご紹介します。
特に小学校低学年くらいで、まだ手や背が小さいお子さまでもブランコができるようになることを目的としています。大人の方でも使えますし、慣れてきたら長いストリングで同じようにできるはずです。
- ストリング全体を長さ80cmにカット
- 45cmと13cmのところにマジックで印をつける
やり方はこれだけ。80・45・13…アッパレヨイコダジュウサーンで覚えてください。
超高速ブランコ?
何往復ゆらすかが成功基準とされることが多いトリックなのですが、そもそも何をもって往復と数えるのかを逆手にとったブランコも存在します。
まずはこちらの動画をご覧いただきましょう。
これはヨーヨーファクトリー主催によるエキシビジョンマッチで、F.A.S.T チャレンジという、いわばレース形式での対決の様子です。ブランコを含む10個のトリックを、順番通りに、どっちが早くすべて成功させるかを競っています。
実は0:11~0:12あたりの1秒間で画面右側の選手(パトリック・ミッチェル選手)がブランコをやっているのですが、初見ではよく見えなかった方も多いのではないでしょうか。
要は「三角形の間をゆらす」という判定が「三角形の間を通って前後した回数」によるものならば、三角形自体を動かせば良い、つまりヨーヨーではなく手を高速で前後してしまえば良いという作戦なのですね。
この手法がどこで始まったものなのかは不明ですが、このF.A.S.T チャレンジがきっかけで広まったのは確かかと思われます。
なおトリック検定の際は、本来想定されている解法ではありませんので、この方法で合格と認められるのは難しいと思われます。詳しくはその場で検定員の方に聞いてみるしかありませんが、ヨーヨーのみをゆらして往復させるよう指示されることがほとんどかと思われます。
代表的な派生
とにかく何かヨーヨーを囲う形を作って、その中でヨーヨーをゆらせばブランコの派生といえます。ここでは一部を紹介します。
- 大車輪のように回転させる合体技クレイジー・ブランコ
- 両サイドの線だけにするツーライン・ブランコ
- 柱を片方だけにするワンレッグ・ブランコ
- タワーとの合体技タワー・ブランコ
- ブレインツイスターとの合体技ブレインツイスター・ブランコ
- タワーの変形との合体技スパイダー・ベイビー
- ほか派生技はトリック検索にて
豆知識
海外ではロック・ザ・ベイビーという名前のトリックなのですが、これは「ゆりかご」という意味なので、日本でいうブランコとは意味合いが変わってきますね。
そもそもブランコは英語じゃないの?と思われるかもしれませんが、実は日本語らしいんですね。
というのも、英語ではブランコのことを「Swing」と呼ぶので、一文字も合っていません。ポルトガル語の「balanço」や、フランス語の「Balançoire」に由来するとか、日本語で「ぶらん」というオノマトペに「こ」がついたとか、さまざまな説があるもののはっきりとはしていないそうです。
ちなみにヨーヨーそのものも、由来というか成り立ちがはっきりしていないものだったりします。どこで誰が始めたかはわからない、でもみんなが知ってるというのは、ちょっとモヤモヤする一方で、ロマンチックで素敵な気もします。
余談ですが、トラピーズ(Trapeze)の意味は「空中ブランコ」です。